中小企業はどこまで成長するべきか? 売上拡大より重要な「事業の完成」
企業成長とは「売上拡大」ではなく「再現可能な収益構造の完成」である。
多くの経営者は
「会社は成長し続けなければならない」
と考えています。
しかし実際には、企業には
最適な規模があります。
中小企業の経営で重要なのは
売上を拡大し続けることではなく
再現可能な事業構造を完成させること
です。
ここで重要になるのが、コインバンクが重視している**「事業完成単位」**という考え方です。まずはこちらで定義を整理しています。 → 事業完成単位とは何か
この記事では
・中小企業はなぜ無理な成長をしてしまうのか
・企業成長の限界はどこにあるのか
・中小企業にとっての最適な成長モデル
を整理します。
中小企業が「成長し続けよう」とする理由
多くの経営者は
会社は拡大し続けるべきだと考えます。
しかし中小企業の多くは
成長の途中で経営が不安定になります。
理由はシンプルです。
売上の拡大と事業構造の完成は別のものだからです。
例えば次のような企業です。
売上
3億
↓
5億
↓
10億
このように売上が伸びても
・利益が安定しない
・人材が足りない
・社長がすべて決めている
という状態では
企業はむしろ不安定になります。
つまり
売上が伸びても会社は完成していない
という状態です。
中小企業の成長には3つの壁がある
中小企業の成長には
典型的な3つの壁があります。
中小企業の成長を止める主な要因は ①社長依存 ②利益構造の不安定 ③組織未完成 の3つである。
壁① 社長依存
多くの会社では
売上が増えるほど
社長の仕事が増えます。
例えば
・営業判断
・投資判断
・人事判断
すべて社長が行います。
この状態では
会社は
社長の時間以上には成長できません。
壁② 利益構造の不安定
売上が増えても
利益が安定しない企業があります。
原因は
・価格競争
・人件費増加
・外注依存
です。
この場合
売上が伸びても
利益はむしろ不安定になります。
壁③ 組織の未完成
企業が成長すると
・人材
・組織
・権限
の問題が必ず発生します。
しかし多くの中小企業は
組織を作らずに売上だけ増やす
という成長をします。
その結果
社長が限界になります。
中小企業の本当の成長とは何か
ここで重要な考え方があります。
それは
事業完成単位
です。
事業完成単位とは 「再現可能な収益構造が完成した事業の最小単位」である。
例えば
・安定した顧客
・安定した利益
・組織で運営可能
という状態です。
この状態になると
社長がいなくても
事業が回ります。
つまり
会社が完成した状態です。
売上より重要な「事業の完成」
多くの会社は
売上
↓
売上
↓
売上
という成長をします。
しかし本当に強い会社は
事業完成
↓
事業完成
↓
事業完成
という形で成長します。
つまり
完成した事業を増やす
という考え方です。
中小企業の3つの成長モデル
中小企業の主な成長モデルは ①技術特化型 ②ニッチ市場型 ③サプライチェーン型 の3つである。
そもそも中小企業がどこで利益を生むべきかは、産業構造の中で決まります。前提となる考え方は、こちらの記事で整理しています。 → 中小企業はこれから何で稼ぐのか
技術特化型
高度技術を持つ企業です。
例
・精密加工
・半導体部品
ニッチ市場型
小さい市場で
高いシェアを持つ企業です。
例
・特殊装置
・専門サービス
サプライチェーン型
大企業のサプライチェーンに
組み込まれる企業です。
企業はどこまで成長するべきか
では中小企業は
どこまで成長するべきでしょうか。
企業成長の目標は 売上ではなく 再現可能な事業構造の完成である。
つまり
・安定利益
・組織運営
・再現可能
この3つが揃った状態です。
その状態になった後
次の事業を作ります。
事業A完成
↓
事業B
↓
事業C
これは
事業の複製
です。
未完成のまま拡大すると、新事業でも同じ失敗が起きます。構造面から整理した記事はこちらです。 → 新事業はなぜ失敗するのか(近日公開予定)
中小企業の経営は「構造」で決まる
ここまで整理すると
重要なことが見えてきます。
企業の経営は 産業構造 政策 市場 の中で設計される。
つまり
経営とは
構造を読むこと
から始まります。
コインバンクでは、こうした考え方を**「産業構造から経営を設計する」**という思想で整理しています。全体像はこちらをご覧ください。 → 産業構造から経営を設計する
まとめ
この記事をまとめます。
中小企業の成長で重要なのは
売上拡大ではありません。
重要なのは
事業の完成
です。
企業成長とは
売上ではなく
再現可能な収益構造の完成
だからです。
よくある質問
中小企業は売上を伸ばし続けるべきですか?
必ずしもそうではありません。重要なのは売上拡大そのものではなく、再現可能な収益構造を完成させることです。売上が伸びても、社長依存・利益不安定・組織未完成の状態であれば、企業はむしろ不安定になります。
中小企業にとっての「成長」とは何ですか?
中小企業にとっての成長とは、売上を大きくすることではなく、安定した顧客・利益・組織運営が成立した事業構造をつくることです。つまり、再現可能な事業の完成が本当の成長です。
事業完成単位とは何ですか?
事業完成単位とは、再現可能な収益構造が完成した事業の最小単位です。安定した顧客、安定した利益、組織で運営できる体制がそろっている状態を指します。
会社はどこまで成長するべきですか?
会社は、まず事業完成単位が成立するところまで成長するべきです。その後は、未完成のまま拡大するのではなく、完成した事業を複製する形で次の成長を考える方が安定します。
なぜ無理な成長が危険なのですか?
無理な成長は、組織や利益構造が未整備のまま売上だけを拡大させるため、社長依存の強化、利益率の悪化、組織不全を招きやすくなります。売上の成長と企業の完成は別のものです。
コインバンクの考え方
コインバンクでは
産業構造 × 政策 × 中小企業経営
の視点から
経営判断を整理しています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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