補助金採択から入金まで:第10次ものづくり補助金の一例
補助金採択の例:第10次ものづくり補助金で紹介したものづくり補助金案件が、入金まで完了しました。補助金が入金されるまでのプロセスを知らない事業者様も多いので、本記事で各プロセスを解説し、時間的にどれくらいかかるものなのかも紹介していきます。
1.決定通知書
前回の記事でも紹介しました、決定通知書についておさらいします。まず、決定通知書をもらうには交付申請が必要になります。必要な書類は大まかに以下のようになります。
・履歴事項全部証明書
・見積書・相見積書
・申請内容ファイル
購入品目や申請種類によって多少必要書類が増えますが、上記3つが必須となります。
この段階で、申請経費が正式に決まるため、金額はもちろん、見積りの項目の一字一句までそろえることが必要となります。申請内容ファイルは、本事業の実施場所なども最終決定となり、交付決定後には事務局の担当者が訪問し、入金までのプロセスを確認することになります。
今回紹介した案件では、交付申請から約1か月で交付決定通知(2022年11月)をいただきました。クライアントの都合で装置の購入は2023年1月でしたので、十分余裕をもって購入準備を終えられたことになります。
一方、事業完了期限は、交付決定日から10か月が経過した日、ただし、採択発表日の12か月後が限度となり、これを過ぎると採択取り消しになってしまいます。納期に時間が掛かる装置や、補助対象外でも建物の準備から進める場合などは、スケジュール管理を忘れずに行うことが大事になります。
2.遂行状況報告書
遂行状況報告書は、補助事業の遂行及び収支の状況について、報告依頼があった場合に提出する書面です。報告の基準日が、交付決定日の属する月の翌月から起算して、3か月後の末日時点と定められています。
本案件では
交付決定日→ R4/11/7
報告基準日→ 2/末日
遂行状況報告書提出期限→ 3/15
となり、提出期間は2/28~3/15になります。
この報告書は、交付決定から実績報告書の提出が3か月以内で済む場合などでは不要なのですが、今回は交付決定から2か月後に装置を購入したため、提出が必要となりました。
各県のものづくり支援室からメールで案内が届くので、そのメールを確認し、期限内に実績報告書を提出できない場合は、遂行状況報告書を提出することになります。
提出物は様式5だけなので、現状をまとめた内容を送る程度です。
3.実績報告書
実績報告書の提出書類は、主に以下のようになります。今回は、経理書類の修正が入ったため約3か月かかりました。
3-1.実績報告書
ワードで作る実績報告書に加え、資産、経費の一覧表を添付します。実績報告書は、事務局と何度かやり取りして作るため短くても1~2週間はかかります。
・実績報告書
・取得財産管理台帳
・経費明細書
3-2.出納帳
補助金入金のために通帳のコピーを添付します。
・出納帳
・通帳コピー
3-3.経理書類一式
見積書をはじめとした経理書類一式、写真、受け払い簿などになります。本件では受け払い簿以外すべて添付となりました。特に経理書類一式は捺印が必須となりますので、注意が必要です。
・見積依頼書
・見積書
・相見積書
・注文書
・受注書
・納品書
・請求書
・振込依頼書
・費目別支出明細書
・画像データ
提出期限は、補助事業完了後2か月以内となります。これは、最初の提出が2か月以内ということです。場合によっては修正で2か月以上かかることもあります。
4.確定監査から入金へ
実績報告書が受理されると確定監査のために担当者が訪問します。書類一式を印刷して対応する必要がありますが、1時間程度で終わります。
確定監査を終えると、概算払い請求を提出し入金となります。ここは通帳のコピーがしっかりしていれば1週間かからずに入金を確認できます。
5.実施例に基づく、第10次ものづくり補助金の申請から入金までの工程
補助金の申請から入金までの工程を一覧にまとめました。
2022年
申請締め切り 5月11日
採択結果 7月15日
交付決定 11月7日(交付申請手続き期間 10月7日~11月7日)
2023年
遂行状況報告書 3月4日(報告書作成・修正期間 2月13日~3月6日)
実績報告 3月31日(報告書作成・修正期間 3月10日~6月3日)
概算払請求 6月7日
入金 6月9日
今回は事業完了期限が2023年7月15日だったのでやや余裕をもって終えられました。装置購入が採択から6か月開いていますので、見積りなどをうまく計画すれば採択から入金まで6か月以内(2022年以内)に終えられる内容でした。
6.入金までの一連のフォローに加え資金調達もサポートします
今回は記載を省きましたが、装置購入にあたり、決定通知書を担保にした銀行借り入れも行っています。その際に必要な書類も、本サービスの範囲内でご用意させていただいております。
ものづくり補助金における資金繰りについては、改めて記事を用意する予定です。
以上、昨年採択されたものづくり補助金の入金までのサポート例をご紹介しました。
本内容は、弊社のスポット補助金申請サービスのフルコースに該当します。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。