やらない経営という選択
― 拡大しないことが強さになる理由 ―
はじめに
経営者は、常に「やること」を求められます。
新規事業。
DX。
補助金。
人材採用。
M&A。
しかし本当に重要なのは、
やることを増やすことではありません。
やらないことを決めることです。
経営判断が分断される構造については、
こちらで整理しています。
本記事では、その延長線上にある
「やらない経営」という選択について考えます。
拡大=正解という思い込み
売上は伸ばすべき。
規模は大きい方がよい。
人は増やすべき。
無意識の前提です。
しかし、規模が拡大すると同時に
- 固定費が増え
- 意思決定が遅くなり
- リスクも増えます
売上は増えても、自由度は下がる。
ここに目を向ける経営者は多くありません。
やらないことを決める基準
やらない経営は、消極策ではありません。
むしろ極めて合理的な戦略です。
基準はシンプルです。
- 自社の強みと接続していない
- 投資回収が設計できない
- 人材設計と整合しない
- 将来像を歪める
このいずれかに該当するなら、
やらない。
制度があるからやる、ではありません。
設計と合うからやる。
合わなければ、やらない。
補助金を「使わない」判断
補助金は魅力的です。
しかし、
- 本来やらない投資を前倒しする
- 無理な賃上げを設定する
- 組織に負荷をかける
このような場合、
使わない判断のほうが健全です。
使わない勇気は、
設計があるからこそ持てます。
拡大しないことが強さになる
売上5,000万円、営業利益率30%。
無理に1億を目指さない。
人を抱え込みすぎない。
固定費を膨らませない。
その結果、
- 意思決定が速い
- 資金繰りが安定する
- 撤退判断が容易になる
規模を抑えることで、
自由度が上がります。
拡大しないことは、停滞ではありません。
“設計された選択”です。
向かない会社もある
もちろん、やらない経営が正解とは限りません。
- 市場拡大型ビジネス
- 資本政策前提モデル
- 急成長が必須な事業
これらには合いません。
重要なのは、
自社の設計と整合しているかどうかです。
まとめ
経営とは、
可能性を広げることではありません。
構造を守ることです。
やらないと決める。
拡大しないと決める。
制度を使わないと決める。
その判断ができる会社は、
外部環境に振り回されません。
判断の軸を持つこと。
それが、強さになります。


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