セミコンジャパン展示会レポート – 東京ビッグサイトからの最新情報
12月11日から13日にかけて、東京ビッグサイトにて開催された「セミコンジャパン」。
この展示会は、日本の半導体産業が世界で、どのように重要な役割を果たし、中長期的な成長を描いているかを知る機会となっていました。
特に注目すべき点は以下の3つです
- 後工程が付加価値の最前線に
- 日本国内での工場増設のトレンド
- ファブレス半導体メーカーのピークアウト
これらの業界のトレンド変化は、新しい技術だけでなく、ビジネスモデルの変革も伴います。
中小企業にとって、主導的立場には立てなくとも、業界の変化を注視することで、多くのビジネスチャンスが生まれるでしょう。
展示概要
各ブースでは最新技術や製品が展示されていました。
特に大きく取り上げられていたのはeスポーツのコーナーです。
以前は材料・部品・電子製品が多くを占めていましたが、ゲーム市場の拡大に伴い、重要なポジションとなっていました。
他にも、AI技術を活用した製造プロセスの効率化や環境に配慮した新素材の紹介など、先端アプリケーションとSDGsを意識した展示が目立ちました。
教育機関・研究所の展示
教育機関の展示コーナーが大きく取られており、千葉県の大学や高専を中心に訪問しました。
各ブースで学生が説明しており、彼らのプレゼンテーション能力に驚きました。
SNSや動画で簡単に参考になるコンテンツを探せる点や、自分たちで動画をアップする能力が時代の変化を感じさせます。
近年、大学教育も専門分野特化型の学科が増えているようなので、かつての営業以上のプレゼンテーション能力を持った技術者が育ってくるのかもしれません。
AIST(産業技術総合研究所)の展示
AISTのブースでは、各部門の展示がコンパクトにまとまっており、現在も西棟のスーパークリーンルームをはじめ、実験・測定設備の外部利用を推進している展示がありました。
少量・小型のサンプルや製品でも、同研究所の設備でデータ取得するなど、活用することで信頼性を高める効果が期待できるため、お勧めです。
スタッフの方が弊社代表の元上司や同僚と仕事をしているということで、近況を聞くことができました。
中小企業の支援についてもお話しさせていただいたので、今後も技術支援の際にお世話になりたいと考えております。
【面会した企業】
以前お世話になった装置メーカーや評価機器メーカー、商社のブースでお話しを伺いました。
現在、九州と北海道の工場建設に人手が集中しており、それでも人手が足りずに困っているそうです。
装置メーカーでは、既に設備のレイアウトまで進んでいるところもあれば、思うように進められていないところもあるようです。
弊社からは、異業種からの参入相談が増加しているとお伝えし、特にパワー半導体やIoT分野での動向に関して長時間お話しさせていただきました。
特にサムコ株式会社様のブースでは、以前お世話になった担当者2名の方と当方の元上司を交えて、興味深いお話を伺いました。
GaN分野では、デバイス性能を高める開発が進む一方で、製造技術(大口径化)にはまだ課題が多いようです。GaNのエッチング装置も紹介していただきました。
GaN分野は、製品開発、量産技術共に、新規参入の機会があると言えそうです。
ベンチャー企業へのコンタクト
お付き合いのあるVCの方と、いくつかの出資先ベンチャー企業を訪問しました。その中には、同時開催されていたJAPAN BUIDL TOKYOに出展していた企業もいらっしゃいました。
今は、東証株式市場がIPOの集中期間にあるため、専門としている出資先業界の動向について色々とお話を伺えました。
デフレ時代にはコスト削減の技術やビジネスアイディアが注目されてきましたが、インフレや金利上昇に伴い、人手不足や省力化対策が注目を集めており、投資対象の選定にも影響を与えているようです。
以上、簡単ですがセミコンジャパンへ参加したレポートとなります。
公的機関を除いて、実名は控えさせていただいています。
直接お問い合わせいただければ、具体的な内容をお伝えできることもありますので、お気軽にお問い合わせください。