経営革新計画にチャレンジ!税金や融資の優遇だけじゃないメリットと事例集
中小企業の経営を支援する政策は様々なものがありますが、自分で調べて申請から各種支援の手続きを行うと大変な労力と時間を必要とします。一方、これらの経営支援でえられるメリットは想像以上に大きなものとなります。本記事では、数ある経営支援の中から経営革新計画について解説していきます。
目次
6.年間契約で資金の持ち出しなしで新事業開発にチャレンジしましょう!
1.経営革新計画の目的と承認要件
経営革新計画の目的は、中小企業が新たな事業活動に取り組んで経営を向上させることです。経営革新計画の承認を得ることで、自社や環境の現状分析ができ、取り組むべき課題や目標を明確にすることができます。
また、都道府県知事に承認された経営計画を公表することで、自社の信用を高める効果もあります。形式的には、後述するように金融機関の融資審査優遇や補助金の加点などがありますが、自社紹介や営業活動、人事採用の際に、公的承認があるという格式を与えてくれます。
経営革新計画の承認要件は以下のようになります。
- 中小企業の定義に合致する
- 1回以上決算を行っている
- 指定の書式に従って書く
- 新事業活動に取り組む
- 付加価値額と経常利益額が定められた伸び率を実現する計画である
これらの要件を満たす計画を策定し、都道府県に承認されることで3-8年の経営計画に対し様々な支援を受けられるようになります。
2.税金や融資の優遇だけじゃない!経営革新計画のメリット
経営革新計画の承認で得られるメリットは、様々なものがあります。主なものとして以下のようなものがあげられます。
メリット1.保証・融資の優遇
信用保証協会や金融機関から有利な条件で保証や融資を受けることができます。計画に伴い建物や機械設備、DX推進、許認可の取得など、様々な経費が掛かることがありますが、これらの費用を調達する際、承認があれば、既存の取引金融機関はもちろん、新規の金融機関の開拓でも優遇措置が適用されます。
メリット2.海外展開に伴う資金調達の支援
海外展開に必要な資金調達に関する支援措置も受けることができます。例えば、日本貿易保険や日本政策投資銀行など、国内事業では取引が始めにくい金融機関との新規取引も支援措置対象となります。
メリット3.ファンド等の支援
中小企業投資育成株式会社や地域創造ファンドなどの、ファンドやベンチャーキャピタルなどからの出資や支援を受けることができます。これらの支援は、民間銀行などでは融資を受けにくいベンチャー事業の開拓を行う時に有効です。
メリット4.販路開拓の支援
経営革新計画承認者は、販路開拓に関する支援措置を受けることができます。例えば、中小企業庁や商工会議所などが行っている展示会や商談会への参加費用の補助や優先出展などです。
メリット5.補助金などの加点措置
ものづくり補助金や事業再構築補助金など、様々な補助金の審査で加点措置を受けられます。補助金は返済の必要がない資金調達のため、弊社のクライアントには経営革新計画の承認と補助金をセットにした年間契約サービスを提供しています。
メリット6.その他の優遇
上記の他にもさまざまな優遇措置を受けることができます。例えば、税制上の優遇や特許料の減免、労働保険料の減額などです。これらの手配を事業者様が自社の労力で行うと調査と手続きが煩雑になります。弊社では、計画承認、補助金獲得と合わせトータルの資金調達サービスとして年間契約を提供しています。
経営革新計画は、自社の経営改善に資するだけでなく、様々な支援を受けられるメリットがあります。一方で、承認を得るまでの労力と時間はある程度かかりますが、コインバンク株式会社にお任せいただければ心配ありません。経営方針を明確にし、様々な支援を受けることで効率的に事業を成長させることが出来ます。
3.経営革新計画の策定手順と効果的な支援を受ける方法
経営革新計画の策定は、以下のような手順で行われます。
3-1.自社の経営状況や課題を分析する
自社の強みや弱み、市場や競合の動向、将来の展望などを整理し、経営革新に向けた目標や戦略を設定します。ご依頼の際には、決算書や会社資料を元に弊社担当がヒアリングを行います。このヒアリングは革新計画作成が目的ですが、継続的なご相談も承っております。
3-2.経営革新計画の様式に沿った書類の作成
中小企業庁が定めた経営革新計画の様式に従って、以下の7つの項目を記入します。この作業は弊社担当がすべて行いますので、事業者様は本業に注力していただけます。
- 経営革新の目標
- 経営革新による経営の向上の程度を示す指標
- 経営革新の計画期間
- 経営革新の内容および実施時期
- 経営革新を実施するために必要な資金の額およびその調達方法
- 組合員の賦課の基準(試験研究費用に充てる場合)
- その他
3-3.経営革新計画の作成・提出に伴い効果的な支援を得る方法
作成した経営革新計画を、所轄の都道府県知事や中小企業団体中央会に提出します。
弊社では、認定支援機関による確認書を計画の内容にあった機関から頂けるように手配します。
なぜなら、承認後に様々な支援を受ける際、地域や目的に合った円滑な支援の要請や第3者の推薦効果を得られるためです。
提出後、審査が行われ、承認されると経営革新計画承認者となります。
4.経営革新計画の承認基準
経営革新計画の承認基準は、以下の2つです。この2基準を元に計画全体が実現可能性を認められる場合に承認となります。
4-1.新事業活動
経営革新計画において、新たな事業活動を行うことが求められます。新事業活動とは、自社の強みや特色を生かした新たな商品やサービスの開発・提供、新たな市場や顧客の開拓、新たな技術やノウハウの導入などをいいます。弊社はコンサルティング業が本業ですが、「中小企業の課題に対応した小規模AI導入・活用サービスの展開」で承認を得られました。経営デジタル化支援のためのプロダクト開発と顧客開拓に該当したためです。ほかの具体的な事例は次の章で紹介します。
4-2.相当程度の経営の向上
経営革新計画において、相当程度の経営の向上を図ることが求められます。経営指標の目標伸び率は表のようになり、条件①、②の両方を満たす必要があります。
計画期間 |
条件① 「付加価値額」または 「一人当たりの付加価値額」の伸び率 |
条件② 給与支給総額の伸び率 |
---|---|---|
3年計画 | 9%以上 | 4.5%以上 |
4年計画 | 12%以上 | 6%以上 |
5年計画 | 15%以上 | 7.5%以上 |
付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
一人当たりの付加価値額 = 付加価値額 / 従業員数
給与支給総額 = 役員並びに従業員に支払う給料、賃金および賞与 + 給与所得とされる手当
※各項目の詳細は省略します。
5.経営革新計画の具体的な事例
中小企業庁の経営革新計画事例集からパターン別の例を抜粋して紹介します。御社が申請を考える場合の参考にしてみてください。
パターン1.新商品の開発又は生産
原材料の内容をイラストでわかりやすく表示した包材使用のスナック菓子の製造
概要:子供向け菓子類の規格・生産・販売を行っている事業者が、原材料表示をイラストでわかりやすくした子供向け袋菓子を新商品として製造販売する。
パターン2.新役務の開発又は提供
概要:既存事業は、郊外の総合食料品小売店で酒類の安売りを目玉に事業を続けてきたが、大型量販店やコンビニの進出に伴い競争が激化していた。この打開策として、地域の有名ラーメン店の事業承継に伴い、飲食事業への進出を行う。
パターン3.商品の新たな生産又は販売方式の導入
概要:酒類ディスカウント業者が、日用雑貨・食品・飲料(酒類除く)など多種多様な商品をそろえたバラエディストアを出店し、新規客層の開拓を行う。
パターン4.役務の新たな提供方式の導入 その他の新たな事業活動
グループ構成各社のノウハウを集結し、機械金属関連の試作分野でのビジネスソリューションを顧客に提供
概要:既存事業では、部品加工から装置の設計・開発まで下請け受注型で行ってきたが、インターネット上でBtoBネットワークを構築し、ソリューションの提案と試作までを行う経営体制を整える。
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