補助金が会社を苦しくするケースは、珍しくありません
補助金は、本来ありがたい制度です。
しかし現場では、
-
採択されたのに経営が楽にならない
-
投資後の方が、判断と負担が増えた
-
賃上げや実績報告で身動きが取れなくなった
というケースを、何度も見てきました。
問題なのは、補助金そのものではありません。
「使う前の設計がないまま、制度を起点に動いてしまうこと」です。
採択をゴールにしてしまうと、
-
投資判断が後追いになる
-
補助金が出るかどうかで意思決定が左右される
-
採択後の3年間が想定されていない
という状態に入りやすくなります。
補助金は、経営を助けることもあります。
しかし、設計されていない経営に組み込むと、歪みが一気に表面化します。
なぜ「単発申請」は、ほぼ再現性を持たないのか
「今回は通ったから、次も同じ形でいける」
この発想が、一番危険です。
理由は明確です。
-
制度は毎年変わる
-
審査の重点も変わる
-
求められる説明水準も上がる
単発申請でうまくいった経験は、
次の判断を誤らせる原因になりやすいのです。
さらに、単発申請では
-
採択後の賃上げ
-
実績報告
-
事業化状況報告
まで含めた設計が行われないことがほとんどです。
結果として、
「採択されたのに、前より苦しい」
という状況が生まれます。
これは運の問題ではなく、
構造の問題です。
「通年申請」とは、申請を続けることではありません
ここで言う「通年申請」とは、
申請を毎年続けることではありません。
通年申請とは、
補助金を、経営設計の一部として扱う考え方
のことです。
具体的には、
-
申請スケジュールを起点にしない
-
先に「やらない投資」を決める
-
補助金がなくても成立する形を基準にする
というスタンスを取ります。
補助金は、
-
あるからやるもの
-
取れるから動くもの
ではなく、
-
設計した結果、使えるなら使うもの
です。
この順番を逆にすると、
経営はほぼ確実に振り回されます。
補助金は、経営判断の一部でしかありません。
制度・事業・組織を分断せずに判断するための考え方は、
経営設計パートナーリングのページで全体像を整理しています。
補助金を「経営設計」に組み込むと、何が変わるのか
補助金を経営設計の一部として扱うと、
見える景色が変わります。
例えば、
-
投資額だけで判断しなくなる
-
採択後の3年間を含めて考えるようになる
-
「使わない判断」が自然に出てくる
補助金を使わない判断に至るケースの一例はこちら
また、次の4つを同時に見るようになります。
-
事業(何をやり、何をやらないか)
-
人(賃上げ・体制・外注の設計)
-
資金(補助金・税制・融資の関係)
-
将来(拡大・維持・撤退・譲渡)
補助金は、
この全体設計の中の一部品に戻ります。
主役ではありません。
この考え方が向いている会社
次のような違和感を持っている場合、
この考え方は役に立つ可能性があります。
-
単発の施策に疲れている
-
投資判断を後悔したくない
-
補助金を主役にした経営をしたくない
-
3〜5年単位で会社を見ている
すぐに申請したい会社向けではありません。
判断軸を整理したい会社向けの考え方です。
この考え方が向いていない会社
一方で、次に当てはまる場合、
このページは閉じていただいて構いません。
-
今すぐ補助金が使えるかが最優先
-
採択率だけを知りたい
-
採択後の話は考えたくない
-
経営判断を外部に委ねたい
この考え方は、
スピード重視・制度起点の経営には向きません。
それでも「通年で見る」価値がある理由
コインバンクでは、
-
申請前
-
採択後
-
賃上げ
-
実績報告
-
制度変更
までを、一気通貫で見てきました。
その中で分かったのは、
経営が設計されていないまま
制度だけを使うと、
ほぼ確実にどこかで無理が出る
という事実です。
成功事例よりも、
事故の構造の方が、はるかに多くの示唆を与えてくれます。
売らないから、判断材料だけを置いています
このページで、契約を取るつもりはありません。
無理に相談を促すこともしません。
ここに書いてある考え方を読んで、
-
自分には必要ない
-
今はまだ早い
と思えば、それで十分です。
判断できる状態を作ること自体が、経営設計です。
経営設計全体の考え方はこちら
補助金通年申請は、
経営設計の一部でしかありません。
全体像については、
上位の思想ページで整理しています。
今すぐ何かを決める必要はありません
このページは、
「今すぐ問い合わせをしてください」というためのものではありません。
まずは、
-
補助金をどう扱ってきたか
-
これからも同じ判断を続けるのか
を、一度立ち止まって考えてもらえれば十分です。
