最低賃金引上げと中小企業のための支援策まとめ|補助金・税制・価格転嫁の最新ポイント
2025年度、最低賃金は全国加重平均で過去最大の引上げ額(+66円)となりました。中小企業にとってはコスト増の一方、政府は価格転嫁・補助金・税制・伴走支援をパッケージで強化しています。本記事では、経済産業省系の支援策を簡潔に整理し、すぐに着手できる実務ポイントと合わせて解説します。
1. 今なぜ対策が必要か(全体像)
- 最低賃金は全国加重平均で+66円の大幅引上げ。賃上げ対応は待ったなし。
- 政府は、①価格転嫁、②補助金・税制、③生産性向上と賃上げ機能の強化、の3本柱で包括支援を発表。
3. 補助金・税制の活用(賃上げ原資の確保)
3-1. 小規模事業者持続化補助金
販路開拓や業務改善を支援。一定以上の賃上げに取り組む場合は上限を手厚く支援(通常50万円+賃上げ特例で+150万円)し、生産性向上と賃上げの両立を後押しします。
→ 参考パンフレット
4. 生産性向上と賃上げ機能の強化(特例・加点)
ものづくり補助金/IT導入補助金/省力化投資補助金(一般型)では、最低賃金引上げの影響を受ける事業者に対し、補助率引上げ(1/2→2/3)や審査での加点が実施されます。対象要件は緩和され、今般の引上げを踏まえた「事業場内最賃+α」の取り組みも評価対象に組み込まれました。
- 補助率引上げ特例(1/2→2/3):該当事業者に適用
- 採択審査の加点措置:特例該当・さらに全国目安の引上げ額(63円)以上の賃上げに取り組む場合など
区分 | ものづくり補助金 | IT導入補助金 | 省力化投資補助金(一般型) |
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要件 | 指定する一定期間において、3か月以上「改定後の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上いる事業者を対象に要件緩和(「最低賃金引上げ特例」)。 | ||
補助率(特例) | 通常 1/2 → 2/3 | 通常 1/2 → 2/3 | 通常 1/2 → 2/3 |
加点 | 上記特例要件に該当する事業者は採択審査で加点。 さらに、一定期間において事業場内最低賃金を「全国目安の引上げ額(63円)」以上引き上げる事業者にも追加加点。 |
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留意 | 中小企業庁と厚生労働省が連携し、よろず支援拠点・働き方改革推進支援センター等を通じ周知・相談を強化。 |
出典:中小企業庁「最低賃金引上げに向けた経済産業省の中小・小規模企業への支援策」 (2025年9月)、p.5–6(特例の要件・補助率引上げ・審査加点、連携による周知等)。
6. まとめ(結論)
賃上げは“負担”でなく“投資”へ。価格転嫁・補助金・税制・伴走支援を組み合わせ、事業計画に賃上げKPIを組み込むことで、生産性と人材の好循環が生まれます。弊社は、計画設計から申請・効果測定までをワンストップで支援します。まずは現状診断からご相談ください。
参考・出典
- 最低賃金引上げに向けた経済産業省の中小・小規模企業への支援策(中小企業庁・2025年9月)
- (交付決定の公開と更新は公式サイトで順次)IT導入補助金2025 交付決定一覧 ほか